親が認知症になったら~まずやるべき5つの項目~

ご両親と接する中で、「少し物忘れが多くなってきたかも」「さっき言ったはずなのにまた同じことを聞いてくる」「もしかしたら認知症?」と心配になる場面が増えていくことがあります。
日本の平均寿命が延びていく中、認知症の心配は今後もますます増えていくことが予想されます。
ここでは、認知症の心配が起こった場合、やるべきことや注意点に関して、解説をしていきます。
目次
総人口の約30%が65歳以上
令和7年9月15日付の総務省からの発表された、総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-(外部サイト)によると2025年9月現在の高齢者人口は3,619万人、高齢者人口率は29.4%となりました。
人口の約30%が65歳以上となり、ますます超高齢化社会になってきています。
高齢化社会が進むと切っても切り離せない問題になってくるのが、この「認知症」。最近では平均寿命も延びていることもあり、認知症はますます身近な問題になってきています。
3人に1人が認知機能に関わる症状がある
厚生労働省の認知症およびMCIの高齢者数と有病率の将来推計の資料によると、2022年に実施した調査の推計では、認知症の人の割合は約12%、軽度認知障害(MCI)の人の割合は約16%とされ、両方を合わせると3人に1人が認知機能に関わる症状があることになります。
認知症の主な初期症状
認知症の初期症状は人によっても違いがあります。しかし、いくつか共通点もあります。
体験の一部ではなく、全部を忘れてしまっている。
認知症の初期症状で最も多いのは記憶障害です。
年を取ってくると、誰しもが覚えることが苦手になったり、なかなか思い出せなくなったりしますが、加齢によるもの忘れの場合は、「体験したことの一部を忘れる」「物忘れの自覚がある」のに対して、認知症による物忘れは、「体験したことすべてを忘れている」「物忘れの自覚がない」という違いがあります。
(例えば、加齢による物忘れの場合は、「朝食のメニューが思い出せない」のに対して、認知症による物忘れの場合は「朝食を食べたこと自体を忘れてしまう」といったような違い)
また、他にも、道に迷うことが増えたり、日常生活で今までスムーズにできていたことが、時間や手間がかかるようになったりすることも認知症の初期症状の1つです。
さらに、人によっては、怒りっぽくなったり、疑い深くなったりと、性格の変化が現れることもあります。
こうした日常生活のなかの変化が起こった場合、認知症の可能性を考えることが必要です。
ただし、自己判断はせずに、医療機関で診断してもらいましょう。
認知症を早期に気づくことのメリット
認知症を早期に発見することには、様々なメリットがあります。
その一部をご紹介いたします。
・これからの人生のための準備期間が作れる。
一言で「認知症」といっても、様々な種類があります。
認知症を早期に発見することで、認知症の進行を遅らせることもできますし、認知師匠の種類によっては、改善させることも可能なものもあります。
いずれにしても、早期に診断を受け、認知症の症状が軽いうちにご本人やご家族が認知症の理解を深めて、向き合うことで今後の生活に対する準備をすることができます。
逆に、認知症の進行が進むと、したくてもできなくなってしまうことも多いので、注意が必要です。
・本人の意思が反映できる。
認知症の初期、または認知機能に症状が出始めたころからその後の生活の準備を始めることで、本人の財産に関してや、最後の迎え方に関して、本人の意思を明確に示すことができます。
初期の段階であれば、遺言書を作成したり、リビングウィル(人生最後の段階で受ける、将来の医療に関する指示書)を作成することができます。
これらは認知症が進行することで難しくなるケースが多く、早めに行う必要があります。
早めの準備を
認知症は、「症状がでたら終わり」ではなく、「症状がでてからが始まり」です。
しっかりと認知症に向き合うためにも、早期に気づき、準備を進めることが重要です。
認知症かも?と思ったらまずやるべきこと5選。
では、「もしかしたら認知症かも?」と思ったら、何を行えばよいのでしょう?
ここから、「認知症かも?と思ったらまずやるべきこと5選」をご紹介します。
①まずは医療機関に受診する。
「認知症かも」と感じることがあったら、まずは医療機関に受診しましょう。
上記もしましたが、認知症を放置することで様々な選択肢が選べなくなる可能性があります。とにかく早めに動いていくことが重要です。
ご本人で気づくことより、一緒に生活しているご家族が先に気づくことも多いでしょう。
その場合、ご家族から本人には伝えずらいとは思いますが、ご本人のためにも、伝えることが重要です。
いきなり病院などにはどうしてもいけない、という場合は、地域の包括センターなどに相談することから始めるのもいいでしょう。まずは1歩踏み出すことが重要です。
②家族で認知症の理解を深める
家族が認知症になると、日々の生活のなかで不安なことや心配なことが増えていきます。
それは認知症になったご本人も同じことです。
認知症の理解が浅い状態では、症状との関わり方がお互いわからず、家族と本人同士で争いが生じることもあります。そうなってしまうと、より一層不安や心配事が増えたり、その後の手続きや対策に支障をきたす場合があります。
まずは、本人、ご家族と一緒に認知症に対する理解を深め、話し合うことが重要です。
理解を深めることで、その後の対策もスムーズになりますし、何よりも家族関係を壊してしまうリスクを減らすことに期待できます。
③地域のサポートなどを調べ、検討する。
現在の認知症の状態にかかわらず、今後どのようなサービスを受けるかを検討しておくことは重要です。
同居しているご家族が常にサポートできるという状況はなかなか難しく、もしサポートできる環境だったとしても、負担が大きくなってしまい、また別の問題に発展してしまうことも考えられます。
要介護認定を受けることが出来れば、介護保険制度を利用して介護サービスを受けることができます。
要介護認定を受けるには、地域包括支援センターに申請することが必要です。
介護保険制度で受けられるサービスには、
・訪問介護
・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリ
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
などがあります。
受けられるサービスに関しては、厚生労働省のホームページでも確認することが可能です。
どんなサービスを受けられるか、を本人と家族でしっかりと話しておくことで、これからの不安を軽減することができ、問題が大きくなるリスクを減らすことに期待できるでしょう。
④持っている財産を確認する。
認知症になった方の財産(預金、不動産、有価証券など)をできるだけ詳しく理解しておくことが大事です。
認知症になってしまい、本人の判断能力がないと判定されてしまうと、資産が凍結状態になってしまい、動かすことが出来なくなってしまいます。
資産凍結してしまうと、せっかく残した財産を動かすことができなくなり、予定していた日常生活が送れなくなったり、施設への入所費用が準備できなくなったりするリスクがあります。
認知症かも、と思ったら、なるべく早めに財産の確認と対策を行いましょう。
⑤相続対策に関して、専門家に相談する。
認知症が進行し、本人に判断能力がないと判断されてしまうと、相続対策に関してもできることが限られてしまいます。
相続対策というと、相続税の対策を考えられる方が多いですが、相続が発生した後のもめごとを防ぐことも大事な対策です。
特に、相続が「争続」に発展してしまうケースの多くは、遺産分割での争いです。
この遺産分割の争いが起こるのは、「遺言書がない」ことが多くの要因となっています。
遺言書さえあれば、財産を残す方の想いをしっかりと残せて、分割方法も遺言に残してある分割方法で進めることが出来ますが、遺言書がないと、争わないと思っていた家族でも、財産をどう分けるかで争ってしまうことが多くあります。
その遺言書も、認知症が進行し、本人に判断能力がないと判断されると、書くことが出来なくなってしまいます。
相続に関しては、事前の対策や準備がとても効果的になる場合が多くあります。逆に、遅くなると対策ができなくなってしまうことも多々あります。
元気なうちに、専門家に相談することをおススメします。
まとめ
認知症の問題は、今後さらに身近になっていくことが予想されます。
「うちには関係ない」「私は大丈夫」などとは考えず、元気な内から対策を進めていきましょう。
この記事を書いた人
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大久保裕貴
相続やシニアの暮らしのサポートを誠心誠意行っております。 恵比寿くらしと相続サポート窓口株式会社代表 相続診断士/シニアライフカウンセラー上級

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